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丸投げをやめる、複数AIエージェントの「委任票」

ELYSAI編集部5分
丸投げをやめる、複数AIエージェントの「委任票」

複数のAIエージェントに仕事を分けたのに、同じ調査を重ね、結論も噛み合わない。そんな状態を止めたい開発責任者向けに、本稿では委任内容を一枚で固定する「委任票」と、結果を受け入れるまでの手順を作ります。

分担する前に「独立して終えられるか」を見る

複数エージェントが効くのは、作業を互いに独立した単位へ切れる場合です。Anthropicの技術解説でも、複数エージェントは並列性の高い調査に向く一方、全員が同じ文脈を必要とする仕事や依存関係の多い仕事には向かないとされています。[2]

最初に、候補作業を次の3問で判定します。

  • 他の担当の途中結果を待たずに着手できるか
  • 入力資料と利用可能なツールを限定できるか
  • 完了を成果物または検査項目で判定できるか

一つでも「いいえ」なら、無理に並列化せず、親エージェントが順番に処理します。複数エージェントにすれば速くなる、という前提から始めないことが重要です。

コピーして使える「委任票」

指示文だけで仕事を渡すと、担当範囲と終了条件が抜けます。委任時は、次の構造を必須にします。

delegation_ticket:
  task_id: vendor-security-auth
  owner: security-research-agent
  objective: 認証方式と管理者権限を一次資料から確認する
  in_scope:
    - SSOと多要素認証
    - 管理者ロール
  out_of_scope:
    - 価格比較
    - 導入可否の最終判断
  allowed_sources:
    - vendor_official_docs
    - vendor_security_whitepaper
  allowed_tools: [web_read]
  budget:
    max_sources: 5
    max_tool_calls: 12
  deliverable:
    format: claims_with_source_urls
    required_fields: [claim, source_url, evidence_excerpt, uncertainty]
  acceptance:
    - 各主張に一次資料のURLがある
    - 不明点をunknownで返している
  stop_when:
    - 対象資料へアクセスできない
    - 許可外のログインが必要

OpenAI Agents SDKのhandoffは、受け渡し時の入力をスキーマで定義でき、次のエージェントへ渡す履歴をフィルターできます。[1] ただし、仕組みがあるだけでは委任の妥当性は決まりません。目的、禁止範囲、予算、受け入れ条件を業務側の委任票として管理します。

5段階で渡し、受け取り、統合する

1. 重ならない作業単位へ分ける

対象、観点、成果物のいずれかが重なる委任票は統合します。「競合Aを調べる」と「各社の機能を調べる」を別担当にすると、同じページを巡回しがちです。「認証」「データ保持」「監査ログ」のように、判定項目で切ります。

2. 実行前に機械検査する

task_id、objective、out_of_scope、deliverable、acceptance、stop_whenが欠けていれば起動しません。ツールと資料の許可リストも親側で照合します。子エージェント自身に権限拡張を判断させない設計にします。

3. 成果物だけを返させる

長い思考過程ではなく、指定した構造の成果物と参照先を返させます。Anthropicは、子エージェントが成果物を外部へ保存し、親には参照だけを返す方法が、伝言による情報損失とトークン消費を抑えると説明しています。[2]

4. 親が受け入れ判定する

親は文章の自然さではなく、委任票のacceptanceを一項目ずつ検査します。不合格なら「不足した項目」だけを添えて一度再実行し、二度目も失敗したら人へ戻します。子の結論をそのまま最終判断にしません。

5. 統合時に衝突を残す

担当間で主張が食い違ったら、多数決で消さず、根拠URL、資料日付、不確実性を並べます。統合結果には「採用した主張」「保留した主張」「追加確認の担当」を残します。

仮想例:AIサービスの安全性調査を3分割する

たとえば、導入候補サービスの安全性を確認する場面です。親エージェントは、認証、データ保持、監査ログの3枚の委任票を発行します。各担当は公式資料だけを読み、主張、URL、根拠箇所、不明点を返します。

認証担当が価格情報まで調べ始めたらout_of_scope違反で停止します。データ保持担当が保持期間を確認できなければ、推測で埋めずunknownにします。親は3成果物の必須項目を検査し、未確認の保持期間だけを人の問い合わせ項目へ移します。完了条件は、三つの判定項目が「確認済み」または「問い合わせへ移管」のどちらかになり、出典のない結論が残っていないことです。

同じ資料を読みながら全員で一つの設計を逐次編集するという場合には向きません。依存関係と衝突が多く、調整コストが上回ります。その場合は一つのエージェントに順序を持たせ、必要な箇所だけ専門家へ問い合わせます。

明日から使える実装チェックリスト

  • [ ] 並列化候補を3問で判定した
  • [ ] 各委任票の対象と禁止範囲が重なっていない
  • [ ] 利用できる資料とツールを許可リストにした
  • [ ] 呼び出し回数または資料数の上限を置いた
  • [ ] 成果物の形式と必須項目を固定した
  • [ ] 不明をunknownで返せるようにした
  • [ ] 親側で受け入れ条件を機械検査する
  • [ ] 再実行は不足項目を指定して一度までにした
  • [ ] 衝突した主張と根拠を統合結果へ残した

最初は、読み取り専用の調査を二つに分けて試します。同じ問いを重複していないか、許可外の資料へ出ていないか、受け入れ条件だけで合否を決められるかを確認してください。三点を満たしてから、担当数や利用ツールを増やします。

参考資料

  1. OpenAI Agents SDK: Handoffs
  2. Anthropic: How we built our multi-agent research system

本記事はAIを活用して作成し、公開前に自動レビューを実施しています。情報の確認日:2026-10-15。

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Author

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